若者よ、選挙に行け

  当選者が1票差で決まる選挙は、確率的に見てもほぼありそうにない。ならば、どうして選挙に行く必要があるのだろうか。

  答えはこれである。選挙では、「当選と落選」のみを決めるわけではないのだ。

  ほとんどの政党では、選挙の結果によって党内での権力が決まる。つまり、落選者は対象外として、「比例で当選した者<選挙区で辛勝した者<選挙区で圧勝した者」となる。当選者でも、「得票の割合」が重要になってくるのだ。

  要するに、あなたが投じた1票は決して無駄にはならないということである。しかも、今回のように投票率が低いと予想される選挙においては、あなたの1票の重みは相対的に高まる。

  もちろん、あなたがその1票で国政のすべてを決定できるわけではない。しかしあなたは、「1億の国民※のうちの1人」として、自らの意思をちゃんと示すことができ、しかもそれが国政に実際に反映されるのだ。それで十分ではないか。

  こう考えると、1票の格差があることや、選挙制度をその最大の利害関係者である議員自身が決めることなど、いくらか問題がないわけではないが、日本の民主主義は、なかなかいい制度である。

 

※ 厳密には「有権者」であり、未来の有権者の意見が反映されないのは問題ではあるが、解決は難しい。